株式会社リクルートメディカルキャリア(本社:東京都千代田区、代表取締役:髙﨑 透、以下リクルートメディカルキャリア)は、メドピア株式会社(東京都中央区、代表取締役社長 CEO:石見 陽、以下メドピア)と共同し、メドピアの運営する医師専用コミュニティサイト「MedPeer」に登録する医療機関に勤務する医師2,045人を対象に、医師の転職について調査しました。本リリースでは、医師の転職活動の実態を解説します。
Executive summary
■ 転職を考えるようになったきっかけは「業務負荷が高い(32.7%)」や「給与への不満(32.6%)」
■ 働く場を選ぶうえで重視する条件は「給与条件」「休日・休暇」「勤務時間・勤務体系」
■ 転職活動中に不安だと感じたことの最多は「年収ダウン(46.5%)」
■ 転職活動中に苦労したことは「希望に合う求人が少なかった(21.5%)」
■ 転職活動で医療機関・施設に提示してほしいことは「勤務時間や休日休暇、日当直などの働き方に関する詳しい情報(62.2%)」や「募集している職場の具体的な仕事内容(58.2%)」
■ 7割以上の医師が、転職後「いきいきと働けている」
■ 転職後にいきいきと働けているポイントは「理念や方針への満足度」や「職場の雰囲気」、「評価制度」
■ キャリア自律ができていると考えている医師ほど、転職後いきいきと働けている割合が高い
今回の調査によると、1年以内に何らかの転職活動を行った医師は集計対象全体の42.6%、「いずれ転職をしたい」という将来的な可能性を含めた転職意向のある医師は73.1%でした。
転職を考えるきっかけとしては、「業務負荷の高さ」が最も多い回答となりました。2024年4月から医師の働き方改革の新制度が施行されます。今回の調査からも、医師の職場における長時間労働の課題がうかがえる結果となりました。職場選びで重視する項目は「給与条件」「休日・休暇」等といった待遇面が上位でした。一方で転職後に目を向けると、転職後にいきいきと働けているポイントは、これらの待遇面よりも、「理念や方針への満足度」「職場の雰囲気」といった項目との関係が深いことが分かりました。
転職の満足度が高い医師は「キャリア自律」ができている方が62.8%と高い水準となっています。前述の医師の働き方改革がスタートすれば、医師の働く環境はこれまで以上に変化を迎えることが予想されます。転職活動を行う/行わないに関わらず、中長期的な自身のキャリアの理想の姿を定期的に考え、見直す機会を持つことで、より納得のいくキャリア形成につながるのではないでしょうか。
■転職を考えるようになったきっかけは「業務負荷が高い(32.7%)」や「給与への不満(32.6%)」
最初に、転職を考えるようになったきっかけについて紹介します。転職のきっかけは、「業務負荷が高い」が32.7%と最も多く、次いで「給与への不満」が32.6%、「人間関係への不満」が28.8%と続きます。
2022年にリクルートが実施した企業に勤める人を対象とした転職活動者調査では、転職のきっかけの1位は「いまの会社の将来性に不安があるため」でした。異なる調査であるため単純に比較できない点には注意が必要ですが、医療業界における医師特有の業務負荷の高さが推察される結果となりました。このような調査結果からも、政府が推進する働き方改革による医師の労働環境改善が期待されます。
■調査概要
調査方法:インターネット調査
調査対象:MedPeerに登録する全国の医師
有効回答数:2,045人
本リリースでは回答者のうちクリニック開業医を除く勤務医の1,822人を集計対象としました。
また、そのうち2022年11月~2023年10月に何らかの転職活動を行った回答者777人、
2022年11月~2023年10月に転職した回答者209人の調査結果も紹介しています。
調査実施期間:2023年10月20日(金)~2023年10月25日(水)
調査機関:MedPeer
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