医師の転職活動に関する動向調査
~「勤務条件」よりも「仕事の意義や環境」で満足度に差~

プレス発表

株式会社リクルートメディカルキャリア(本社:東京都千代田区、代表取締役:髙﨑 透、以下リクルートメディカルキャリア)は、医師の転職について調査しました。本リリースでは、医師の転職活動の実態および転職後の状況を解説します。

Executive summary

  • これまでに転職をしたことがある医師は68.9%
  • 転職を考えるようになったきっかけは「給与への不満(29.0%)」や「人間関係への不満(25.0%)」
  • 転職活動中に不安だと感じたことの最多は「年収ダウン(37.5%)」
  • 転職活動中に苦労したことは「転職先に関する情報の不足(25.6%)」
  • 転職活動で医療機関・施設に提示してほしいことは「勤務時間や休日休暇、日当直などの働き方に関する詳しい情報(59.5%)」や「募集している職場の具体的な仕事内容(59.4%)」
  • 働く場を選ぶ上で重視する条件は「給与条件」「勤務時間・勤務体系」「休日・休暇」
  • 1年以内に転職をした医師の8割近くが、転職後「いきいきと働けている」
  • 転職後にいきいきと働けているポイントは「仕事のやりがいが感じられるようになった」や「仕事に取り組み やすくなった」、「職場の理念や方針への満足度が上がった」
  • 転職意向を持ちながら転職活動をしていない理由は「今のところ、転職をしなくても問題がない(48.0%)」

今回の調査によると、1年以内に何らかの転職活動を行った医師は集計対象全体の21.0%、「いずれ転職をしたい」という将来的な可能性を含めた転職意向のある医師は40.3%でした。 転職を考えるようになったきっかけとしては、「給与への不満(29.0%)」が最も多い回答となりました。2024年4月に施行された医師の働き方改革が転職を考えるきっかけとなった方もいるようでした。 職場選びで重視する項目は「給与条件」「勤務時間・勤務体系」「休日・休暇」等といった待遇面が上位でした。一方で転職後に目を向けると、転職後にいきいきと働けているポイントは、これらの待遇面よりも、「仕事のやりがいが感じられるようになった」や「仕事に取り組みやすくなった」、「職場の理念や方針への満足度が上がった」といった項目との関係が深いことが分かりました。

転職後にいきいきと働けているポイントは「仕事のやりがいが感じられるようになった」や「仕事に取り組みやすくなった」、「職場の理念や方針への満足度が上がった」

1年以内に転職をした医師に、転職前と転職後の待遇や職場の状況の変化を15項目で確認しました。 下の表では、「全体」と「転職後いきいきと働けている方」の回答結果をまとめています。各項目について両群で特に差分が大きい項目を確認しました。転職後いきいきと働けている方が全体を大きく上回る項目は、「仕事のやりがいが感じられるようになった(8.6pt差)」、「仕事に取り組みやすくなった(8.0pt差)」、「職場の理念や方針への満足度が上がった(7.8pt差)」でした。
先に紹介した「働く場を選ぶ上で特に重視する条件」で上位だった勤務時間や休日といった勤務条件については、むしろ全体を下回る結果となっていました。
転職を検討する段階では、いわゆる待遇面を気にしている一方で、実際に転職後にいきいきと働いていけるかどうかは、仕事のやりがいの有無や、職場の理念や方針への満足度の影響が大きいことがうかがえます。

※各項目について「はい」「変わらない」「いいえ」の3つの選択肢で聴取。表中の%の数値は「はい」の割合。
「転職後いきいきと働けている方」-「全体」の差分の大きい順に掲載

■調査概要

調査方法:インターネット調査
調査対象:株式会社マクロミルのモニターに登録している全国の医師
有効回答数:838人

調査実施期間:2025年2月18日(火)~2025年2月25日(火)
調査機関:株式会社マクロミル

≪調査結果を見る際の注意点≫
図表内の%の数値は小数第2位で四捨五入しているため、差分や合計値において、単純計算した数値と一致しない場合があります。

本件の詳細はこちらより御覧ください
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